UNITING OF OPPOSITES/ANCIENT LIGHTS [NRJ-0125]

UNITING OF OPPOSITES/ANCIENT LIGHTS [NRJ-0125]

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1960年代後半に世界を席巻したインド音楽(ラーガ)。シタール、タブラ、タンプーラなど特有の古典楽器を用いた瞑想的かつピースフルな音楽で、ラヴィ・シャンカール一族が有名だ。インド系移民の多いイギリスでは特に盛んで、ロック、フォーク、ポップス、ジャズと様々なシーンに影響を及ぼした。マジック・カーペットは1970年代初頭に活動した幻のカルト・バンドで、サイケ・フォーク・ロックにラーガ・サウンドを取り入れた特異なスタイルを誇っていた。そのシタール奏者だったクレム・アルフォードほか、在英インド人のタブラ奏者のマンジート・シン・ラシヤが参加する新たなバンド・プロジェクト、ユナイティング・オブ・オポジッツが生まれた。バンドにはクラリネット演奏のアイドリス・ラーマン(スースセイヤーズ、ワイルドフラワー、イル・コンシダード)、ドラマーのエディ・ヒック(ルビー・ラシュトン、アシュレイ・ヘンリー&ザ・リ・アンサンブル)と、近年盛り上がりを見せる南ロンドンのジャズ・シーンにもリンクする面々も参加する。

バンドの仕掛け人でプロデュースを行なうのはティム・リッケン。ティム・デラックス名義で2000年代にハウス・ミュージックのシーンで数々のヒット作を生み出した彼だが、近年はクラブ・ミュージックの世界と距離を置き、2014年の『The Radicle』は生演奏を大きくフィーチャーしたバンド・サウンドを軸に、ジャズとブルースからの影響を受けたものとなった。その中にインド音楽の要素を取り入れた「Shanti」という曲があったが、ユナイティング・オブ・オポジッツはその方向性を発展させたものである。ティムは自身でもタンプーラの演奏をマスターし、アルバム『Ancient Lights』の制作に取り組んだ。ほかにローズ、シンセの演奏、“ダブロトニクス”と称するエレクトロニクス処理、及びミックス、エンジニアリングでサウンドに貢献するほか、『The Radicle』でも演奏したベーシストのベン・ヘイズルトンもティムの片腕として参加。タイトル曲ではジャズ&フォーク系シンガー・ソングライターのマルチナ・アーノルドもヴォイスでフィーチャーされている。

ジャズ・ロックやクラウト・ロックにインド音楽を融合した「Mint」やタイトル曲は、かつてのサイケデリック・ロックから、アリス・コルトレーンやデイヴ・パイク・セットなどのインド音楽を取り入れたラーガ・ジャズにも繋がる世界。ディープ・ブラック・ジャズの「Dr. Roach」やアフロ・スピリチュアル×インド音楽調の「Car Number 27 / Mr Alpo」は、アイドリスのワイルドフラワーやイル・コンシダードほか、シャバカ・ハッチングスやヌビア・ガルシアら南ロンドンのジャズ・シーンにも繋がるような曲。コズミック・ジャズと形容すべき「Corridor Moves」では、フローティング・ポインツばりの音響効果&スペース・エフェクト。ダブ・エフェクトが大きく用いられた「Vortex Number 9」は、ニティン・ソウニーやタルヴィン・シンなどUKエイジアンたちの音楽との接点も見られる。また本作のアートワークは、『Dazed』誌が「サルバドール・ダリからサン・ラまで全てにインスピレーションを受けた現代のシュルレアリスト」と称した日本人アーティスト、青山ときおが手がけている。

2017年のロンドンでは、バーレーン育ちの女性トランペッターのヤズー・アーメッドが登場して話題を集め、南ロンドンのジャズ・シーンにも民族色を打ち出すグループが登場しているが、ジャズとインド音楽、そしてサイケデリック・ロックやクラウト・ロック、ドローンやアンビエント、スペイシー・サウンドが融合した瞑想的かつプログレッシヴな世界を持つユナイティング・オブ・オポジッツの本作も、そうした新しいエスニック・ジャズの一翼を担う作品となるだろう。

A-1 Mints
A-2 Ancient Lights
A-3 Dr. Roach
A-4 Car Number 27/Mr. Alpo
B-1 Vortex Number 9
B-2 The Uniting Of Opposites
B-3 Corridor Moves
B-4 Bird Solo

商品詳細

condition S(新品)
label TRU THOUGHTS
country UK
format LP
released 2018